みなさんこんにちは。大阪河内長野の司法書士赤嶺です。

今日は、相続登記のときに添付書面となる、被相続人が同一であることの証明書について触れてみたいと思います。

相続登記を受任したときによくあることなのですが、登記簿上の名義人と被相続人が同一であることが、書類が揃わないことにより証明できないことがあります。

このことを私は「被相続人の住所の沿革がつかない」と言っています。

相続登記を申請する時には、登記簿上の名義人と被相続人が同一であるということを法務局に証明する必要があります。

例えば、甲さんが、登記簿に記載されている堺市の住所から変更なく亡くなった場合は、堺市の住民票の除票を取得すれば、「登記簿に記載されている堺市の甲さんは、亡くなった堺市の甲さんと同じ人です。」と簡単に証明できます。

しかし、甲さんが堺市から富田林市へ、さらに羽曳野市に住所を変えて亡くなった場合はどうでしょう。相続登記を申請する時には、「登記簿に記載されている堺市の甲さんは、亡くなった羽曳野市の甲さんと同じ人です。」ということを法務局に証明する必要がありますが、羽曳野市の住民票の除票だけでは証明することはできません。富田林市の住民票の除票も必要になります。

羽曳野市の住民票の除票には現住所(最終住所)と一つ前の住所の記載しかないからです。つまり、「富田林市から羽曳野市に引っ越しして死亡した甲さん」というところまでの証明になるのです。「堺市から富田林市に引っ越しした甲さん」の証明は、富田林市の住民票の除票で可能です。

他にも方法があります。それは戸籍の附票です。戸籍の附票は住所地ではなく、本籍地の市町村役場で取得できます。戸籍の附票には、甲さんが堺市から富田林市へ、さらに羽曳野市に住所を変えたことが記載されており、これでも「登記簿に記載されている堺市の甲さんは、亡くなった羽曳野市の甲さんと同じ人です。」ということを法務局に証明することができます。

ただ、この方法で証明できないこともあります。

それは住民票の除票は転出や死亡してから5年、戸籍の附票も除籍から5年が保存期間のため、それを経過すると交付を受けることができなくなるおそれがあるためです。
戸籍に関しては本人の転籍以外にも、役所都合の戸籍書き換えがありますので注意が必要です。

最近では各地で戸籍事務のコンピュータ化が進み、従来の手書きの戸籍が閉鎖されていっています。この閉鎖も除籍と同じ扱いで、言い換えれば戸籍コンピュータ化から5年後にはみなさんの知らないうちに戸籍の附票が廃棄され、過去の住所の沿革が分からなくなることになるわけです。

こうなった場合、相続登記はどうするのでしょう。登記簿上の名義人と被相続人が同一であることの証明書が用意できない代わりに、住民票の除票や戸籍の附票の廃棄証明書と上申書(相続人全員の印鑑証明書付)、その不動産の権利証を添付すればよいという取り扱いが多いようです。
ただ、法務局で取り扱いが異なりますので、事前に確認が必要です。